【のと里山里海未来創造シンポジウム】第1部 発表内容 掲載しました
のと里山里海未来創造シンポジウム(令和7年1月25日(土) 13時00分~16時00分)
第1部の調査・支援活動報告の概要をお知らせします。発表順については、変更となる場合があります。
開催概要、シンポジウム全体のプログラムはこちら
能登復興に向けた被災地の未来志向と地域のレジリエンス-輪島市における現地調査の結果より-
融合研究域融合科学系 准教授 川澄 厚志
令和6年能登半島地震でも、復興にかかる時間が長ければ長いほど、高齢化や過疎化を助長させることが予想されます。そこで本発表では、創造的復興、復興と観光への期待、経済的レジリエンス、社会的レジリエンス、文化的レジリエンス、未来志向の6つの調査項目から、どの要因が能登復興に向けた被災地の未来志向と地域レジリエンスにどのように関連しているかをご報告します。
地域と連携した共創型能登復興について
人間社会研究域経済学経営学系 講師 原田 魁成
金沢大学の課外活動団体「金沢大学ボランティアさぽーとステーション」の学生と一緒に、2024年中に計53回の被災地災害支援のほか、被災された方への傾聴活動、地域行事への参加等を実施しました。活動には延べ1,270名の学生が参加し、復旧・復興に貢献することができました。身近な地域が被災しその支援活動に参加する中で、学生の意識の変化もありました。支援活動を通じて多様な復興支援団体との連携、今後の大学としての支援の可能性、課題も見えてきました。報告会では2024年の活動成果と2025年の展望をお話しします。
珠洲市飯田湾の海底堆積物に残された津波の痕跡
理工研究域地球社会基盤学系 准教授 佐川 拓也
令和6年能登半島地震では海底断層のずれによって津波が発生し、能登半島北東部沿岸域に甚大な被害をもたらしました。特に、珠洲市飯田湾から東側に広がる遠浅の地形が被害の拡大に寄与した可能性があります。我々の研究グループでは、地震発生3週間後から1年後までに複数回にわたって飯田湾沖の海底堆積物を採取してきました。津波によって引き起こされた海底の撹乱と底生生態系への影響についてご紹介します。
多職種チームで取り組む被災地の健康支援
医薬保健研究域保健学系 教授 表 志津子
令和6年能登半島地震発災後、医薬保健研究域保健学系では医師、保健師、看護師および理学療法士らで構成する多職種チームを立ち上げ、学生とともに被災者の健康支援を継続して行っています。
発災直後の令和6年1月から3月までは加賀市の2次避難所で計49日間、4月から8月は輪島市の仮設住宅で健康調査等及び継続支援を計22日間、8月以降は輪島市仮設住宅集会所で居場所づくり、こころのケアを目的とした「健康づくりの広場」を毎月開催してきました。
本発表では、活動から見えた課題をご報告するとともに、今後の活動の方向性についてお話しします。
大規模災害時における被災者と支援者へのこころのケア
保健管理センター長 教授 吉川 弘明
金沢大学では、発災直後に本学関係者のこころの支援を行う専門チーム「KEYPAT」を結成し、本学関係者を対象とした「こころのケア」を行ってきました。発災直後から金沢大学の学生(留学生含む)、附属学校の児童生徒、教職員とその家族に対するこころの支援を行ってきましたが、発災から6か月が経過した夏以降は、輪島市、珠洲市でも活動しています。個人の支援(カウンセリング)と集団の支援(リラクセーション、コンサート、食育活動)、そして被災地に住む支援者へのコンサルテーションを行っています。活動を通して、能登とそれ以外の地区が一丸となって復旧・復興に努めること、人と人との繋がりが大切だと感じています。様々な立場の方が能登の支援に関わっていく中で「こころ」を支えることの重要性についてお話しします。
[お問い合わせ先]
能登里山里海未来創造センター事務局
E-mail:notomirai@adm.kanazawa-u.ac.jp