令和6年能登半島地震による沿岸海域への物質循環影響調査#2

理工研究域物質化学系
眞塩 麻彩実 准教授

沿岸調査
海洋環境
物質循環

 理工研究域物質化学系の眞塩麻彩実准教授は、令和6年能登半島地震に伴い、3月14日および5月10日に、九十九湾と珠洲沖で海洋調査を実施しました。

 昨年、九十九湾で海洋調査のために採水していたことから、今回の地震の前後において海水にどのような影響が出てきたか比較調査することが目的です。調査方法は、ニスキン採水器を用いた海水の採取、CTDセンサーを用いた水温や塩分等の基礎データの取得、水中ドローンを用いた海底環境観察にて行いました。特に珠洲沖では、2月に観測した際は濁りがひどく海底も砂地でしたが、5月の採水では全く濁りがなく、海藻が生え始めているのが確認できました( 写真)。今回採取した海水は、今後実験室で微量金属元素(銅、亜鉛、コバルト、白金、パラジウム等)濃度分析を行い、海底環境が変化したことによる溶存金属濃度変化、さらに生物活動への影響を分析する予定です。

 

 

写真:珠洲沖での水中ドローン画像(5月10日撮影)

図:珠洲沖における濁度データ
時間とともに濁度が減ってきていることが分かる。

 

 

【研究者情報】
 理工研究域物質化学系 眞塩 麻彩実 准教授