被災文化財のレスキューと状況調査

古代文明・文化資源学研究所/人間社会研究域  
足立 拓朗 教授

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考古学

 古代文明・文化資源学研究所/人間社会研究域の足立拓朗教授は、令和6年能登半島地震における被災文化財のレスキューと状況調査を実施しました。

212日(月・祝)】
 七尾市スポーツ・文化財課、石川考古学研究会と協力し、市内三島町の金刀比羅神社の文化財レスキューを実施しました。また、半壊した神社から、狛犬、絵馬、天狗面などを回収しました。回収資料は、七尾市スポーツ・文化財課が救出・保全を行いました。さらに、神社建物の細部の写真撮影も実施しました(写真1)。

 石動山剱宮由来の本殿は、後日、国の文化財レスキュー事業として解体・搬出され、現在は中能登町の収蔵施設で保管されています(神社にあった歴史資料も同じ収蔵施設で保管されています)。

217日(土)】
 珠洲市芸術文化創造室文化創造係、石川考古学研究会と協力し、珠洲市立珠洲焼資料館の展示物の被災状況調査を行いました。その結果、被害が軽微なことを確認できました。また、市内南黒丸地区に所在する横穴墓群の被災状況調査も実施しました。山崩れにより横穴数基の入り口が開口していることが確認されました(写真2)。

224日(土)】
 輪島市教育委員会、石川考古学研究会と協力し、市内の稲舟横穴墓群、県史跡の中段(ちゅうだ)の板碑の現状確認を実施しました。両者とも甚大な被害が確認されました。中段の板碑については、緊急のレスキューが必要であることを確認しました。さらにその後、總持寺、黒島地区重要伝統的建造物群保存地区の視察も行いました。

 

 

写真1:ポールにカメラを装着して半壊した神社の屋根部分を撮影する様子

 

写真2:南黒丸地区の山崩れ状況。左上に開口した横穴墓が見える。

 

 

【研究者情報】
 古代文明・文化資源学研究所/人間社会研究域 足立 拓朗 教授