令和6年能登半島地震による地殻変動について
理工研究域地球社会基盤学系
平松 良浩 教授
GNSS(Global Navigation Satellite System)観測
地殻変動
理工研究域地球社会基盤学系の平松良浩教授は,令和2年12月頃からの地震活動の活発化を受けて,京都大学防災研究所の西村卓也教授と共同し,令和3年9月から珠洲市珠洲市折戸町の滞在交流施設日置ハウス(旧日置小中学校)と能登町立柳田中学校に受信機を設置し,臨時GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)観測を実施しています。
島根県三隅観測点(GEONET950388)を基準として,それぞれの観測点の令和5年12月22-31日の平均座標に対し,令和6年1月12日の平均座標を用いて,令和6年能登半島地震に伴う地殻変動の変位量を推定しました。その結果,
日置ハウスでは,北方向に1.23 m,西方向に1.81 m,上方向に0.98 m
柳田中学校では,北方向に0.02 m,西方向に0.92 m,上方向に0.50 m
の変位があったことが確認されました。ただし,柳田中学校の結果については,地震動によるアンテナの移動が含まれている可能性があります。
この観測結果は,令和6年能登半島地震の断層運動の推定に役立つものであり,能登半島の広い範囲で令和6年能登半島地震に伴う隆起があったことを示すものです。
この観測は,京都大学防災研究所の西村卓也教授との共同研究であり,科学研究費補助金(特別研究促進費)22K19949と 23K17482の助成を受けて実施しています。
【研究者情報】
理工研究域地球社会基盤学系 平松 良浩 教授