目的

金沢大学は、令和6年能登半島地震により大きな被害を受けた能登地域の復旧・復興の推進に資するため、2024年1月30日に「能登里山里海未来創造センター」を設置しました。本学は、これまでにも能登半島をフィールドとして、豊かな里山里海の自然を生かした多様な教育研究活動を展開してきました。石川県に立地し、能登半島に深いつながりをもつ総合大学として、各自治体や関係機関と連携し、能登の創造的復興に向けて取り組んでいきます。
能登里山里海未来創造センターでは、総合大学である強みを活かした文理医の融合、教職員と学生の「オール金沢大学」の体制で、中長期的な視点で「地震・災害に強く安全・安心で、だれもが住みよい、文化薫る地域・まちづくりとひとづくり」に寄与し、被災地に寄り添い、自治体等と協働し震災からの復旧・復興及び支援に全力を尽くします。

センター⻑ごあいさつ

 能登半島は、豊かな文化と壮大な自然、美しい里山里海に象徴される地域です。金沢大学にとって、長きにわたって連携してきた大切なパートナーであり、教育研究のフィールドであり、わたしたちのかけがえのないふるさとでもあります。その一方で、地震発生以前から急激な人口減少、過疎高齢化、担い手不足が進み、消滅しつつある集落がいくつもある課題先進地域でした。令和6年能登半島地震と奥能登豪雨が大きな被害をもたらしたことによって、それらの課題は一層、加速し深刻化していくことが危惧されています。
 いま能登が直面している課題を克服すること、復旧・復興を進めながら災害に強いまちづくりや地域コミュニティの在り方、再生を考えること、どれも決して能登だけの話ではありません。少子高齢化が進む災害大国の日本にとって、能登は近い将来のこの国の縮図であり、能登の復興は、次世代の日本への希望です。その意味で、石川県が創造的復興プランに掲げる理念、「能登が示すふるさとの未来 Noto, the future of country」をわたしたちは共有します。
 
 能登里山里海未来創造センターは、能登の復興はもちろんのこと、これからの日本そして世界が抱える社会課題を乗り越える知の創出と人材育成を目指し、能登の市町、県や関係機関と連携しながら、研究、教育、医療、社会共創、あらゆる分野で新たな未来の創造に寄与していきます。美しい能登と未来への希望を次の世代に繋いでいくために、ご理解とご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

能登里山里海未来創造センター長
谷内江 昭宏

センターの役割と体制

創造的復興に向けた構想の立案、学内外の調整を行う「里山里海創造WG」を核として、研究、教育、ボランティア、こころのケア、医療を担う5つのチームが協働しています。

里山里海創造WG

中長期的視点による創造的復興に向けた構想の立案と学内外の調整を行います。

座長 センター長 谷内江 昭宏

令和6年能登半島地震
金沢大学合同調査チーム「KUD」

研究分野を超えた、文理医融合の合同調査チーム。能登半島全域における被災地の現状把握や被災者支援、復興政策の立案につながる公共性・公益性の高い情報発信を行います。

統括 理事・副学長 中村 慎一

教育・ひとづくり

急性期の被災中学生・高校生に学習環境(場所及び物的・人的支援)を提供し、学びの継続を支えます。帰還期・復興期においては、これからの地域再建のための価値再生と価値創造を、教育とひとづくりの視点から推進します。

統括 理事・副学長 森本 章治

被災地支援
(ボランティア)

学生・教職員ボランティアの被災地への継続的な派遣と現地での支援活動の実施を通じて、長期的な復興支援と地域再生に寄与します。

統括 理事・副学長 森本 章治

こころのケア専門チーム
「KEYPAT」

令和6年能登半島地震等によって、こころの不調を抱えることになった方々を心理面から支援する全学的チーム。個別のサポートとともに集団のサポートとコンサルテーションを行います。

統括 保健管理センター長 吉川 弘明

医療支援

DMATをはじめとした発災直後からの医療支援、地域医療体制の維持のための取組だけでなく、被災者の健康維持増進に必要な医療支援を中長期的な視点に立って行います。

統括 附属病院長 吉崎 智一